今から約2,000年前の弥生時代、奈良盆地の中央に位置するこの地には、日本最大級のムラがありました。 唐古・鍵遺跡は、幾重もの環濠に囲まれた弥生時代の集落の遺跡です。 約42万㎡(甲子園10個分)という大きな面積を誇ったことや、弥生時代前期から後期まで約700年間もの長い間、途切れずに集落として存在し続けていたことなどが分かっています。 また、大きな建物があったことを表す遺構や、土器をはじめたとした多くの遺物が出土しています。遺物は、日本各地から運び込まれた物もあり、2,000年前の弥生時代には、すでに地域を超えた大きな範囲での交流が行われていたことが分かります。 こうした特徴から、この遺跡は、当時最先端の技術を持ち、近畿地方のリーダーのような役割をしていた集落だったのではないかと考えられています。