観自在王院境内跡は「毛越寺境内 附 鎮守社跡」の一部として国の特別史跡、庭園は「旧観自在王院庭園」として国の名勝に指定されている。
2011年(平成23年)6月26日、「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の構成資産の一つとして世界遺産に登録された。
11世紀末から12世紀に、人々の安寧を願い、地上に極楽浄土を表す国造りを行なった奥州藤原三代。
世界遺産・平泉の構成資産の一つである観自在王院跡は、12世紀中頃に奥州藤原氏2代・基衡の妻が建立したと伝えられている寺院遺構。
観自在王院の建物は、1573年に兵火により焼失。その後荒廃して水田と化していたが、現在は発掘調査に基づいて浄土庭園が修復され、史跡公園として整備されている。
鶴が翼を広げたような形の「舞鶴が池」を中心に、巨石を組み上げて荒磯の風景を表した石組や、玉石を敷き詰めたこぢんまりとした州浜などが見られ、浄土庭園として整えられていたことがうかがえる。
池の北側には、御本尊の阿弥陀如来を安置していた大阿弥陀堂跡と小阿弥陀堂跡などの遺構も残っている。