べんてんじんじゃはっかいざんじんじゃ
神奈川県川崎市川崎区観音2-1-60
一つの社に二つの鳥居が並んでいる珍しい神社。向かって左側の赤い鳥居が弁天神社で海苔養殖の守 護神。右側の白い鳥居が八海山神社で製塩業の守護神である。 すぐ前の道にはかつて石観音にちなみ名付けら..
一つの社に二つの鳥居が並んでいる珍しい神社。向かって左側の赤い鳥居が弁天神社で海苔養殖の守 護神。右側の白い鳥居が八海山神社で製塩業の守護神である。 すぐ前の道にはかつて石観音にちなみ名付けられた観音川が産業道路、そして東京湾へ向かって流れ ていた。海苔養殖が盛んだった頃、観音川には多くの河岸(かし)がつくられ、藤崎小学校のあたりか ら下流へと藤崎河岸、観音河岸、台河岸、四谷河岸、塩浜河岸と多くのベカ舟の舟だまりが点在し、ベ カ舟の往来のみならず梨栽培農家に売られる肥桶を積んだ大型船ものぼってきたという。 弁天神社の御祭神は、水神・農業の神として信仰される弁財天。かつて観音・四谷・台町・池上新田、 四地区の海苔養殖の守護神であった。観音河岸の弁天様として親しまれ、旧暦1月11日には大師河原で 最も大きいとされた祭礼「船祭り」が行われた。各地区から1艘づつ計4艘の船を出し、観音河岸から徳本 鼻の先まで行き、祝詞をあげて御神酒をまいたという。船には注連縄を張ってホオズキ提灯をつるし、 鳥居と笹を立てて幟や吹き流しで飾り立てた。船は互いに帰らないように競い合い、酒を飲んで大騒ぎ するため川に落ちる人も多く、女性達は着替えを持ち後を追って岸辺を走ったという。夜には神楽が奉 納された。やがて海苔漁の終焉とともに船祭りも途絶えることとなった。 八海山神社の御祭神は、木曽御岳山の坂の神・火の神、八海山堤頭羅(でいずら)親王で、製塩業の守護神を司り、周囲の殖産振興を司ってきました。
弁財天、八海山堤頭羅親王