龍泉寺

永正2年（1505年）8月、美濃国前渡北島（現・岐阜県各務原市前渡東町）の領主・片山越後守藤原成久が自らの菩提寺とすべく蘭室宗幡を開山に招き、木曽川崖上の寺子山に創建した。当時は本堂十二間四面の大伽藍をもち、塔頭6ヶ寺を擁した。
寛永6年（1629年）5月、6世・石叟法眠和尚の代に木曽川が氾濫し、一夜にして堂宇や墳墓はすべて流失した。2年後の3月に郷士・伊藤金五郎が所有していた田畑三反五畝を寄進し、現在地（愛知県丹羽郡扶桑町山那）に再興された。
19世・刑州金透和尚の代である明治22年1月、当時役場事務所として貸与していた伽藍の一部から事務所の失火によって火災が発生し、山門と土蔵以外のすべてが焼失した。
3年後、美濃比久見にあった築約60年の酒屋倉庫を移築し庫裏とした。 本堂は明治41年から大正5年までの長期に亘り復興された。
平成10年（1998年）には、かつて移築された庫裏が甚だしく老朽化したため解体し、開創500年慶讃事業とし22世・清洲和尚と23世・龍豊和尚のもと檀信徒の協力を得つつ2年間にわたって大庫裡を新築し、平成13年（2001年）に落慶した。
現住職は23世。現在は末寺として各務原市に禅黙寺（各務西町）・桃林寺（前渡東町）、扶桑町に薬師寺（小淵字堤南）・正覚寺（斎藤字県タ）の計4ヶ寺を抱える。