鎮護山専念寺は山形県鶴岡市大山2丁目に境内を構えている浄土宗の寺院です。専念寺の創建は天正元年(1573)、岌善上人(京都知恩寺第29世)が奥州巡錫の折、当地を訪れ開山したのが始まりとされます。 又、専念寺は桑名藩家老吉村権左衛門を惨殺した山脇隼太郎等が謹慎した寺院として知られています。桑名藩の当時の藩主松平定敬は会津藩主松平容保や尾張藩主徳川慶勝の実弟だった為、幕府側の要人として重要な位置を占め、鳥羽伏見の戦いなどにも参戦し、徳川慶喜に随行し江戸に下りました。 その為、桑名藩は藩主不在となり新政府恭順派と幕府抗戦派に別れて抗争し、恭順派だった家老吉村権左衛門が暗殺されるという事件も発生しました。 幕府派は桑名藩を離れ各地で転戦し、ここ大山で一部の桑名藩士達が降伏し謹慎となり明治維新後は桑名藩は幕府側と見なされ廃藩となっています。当の山脇隼太郎は謹慎が解かれ横浜で事業家として成功したそうです。 境内には「桑名藩士8名(樋口次郎左衛門兼政・森清十郎・小林為輔・渡部浅右衛門・渡部喜右衛門・不破右門・相馬芳右衛門・岡本作十郎)の墓」があります。