河内磯長原陵 (用明天皇陵)

遺跡名は「春日向山古墳」で、一辺約60メートルの方墳である。
『日本書紀』では天皇は崩御後、587年7月21日に「磐余池上陵」に葬られたうえで、593年9月に「河内磯長陵」に改葬されたとされている。

用明天皇：欽明天皇の第4皇子で、兄妹には敏達天皇、推古天皇、崇峻天皇などがいる。
子女に厩戸皇子（聖徳太子）がいるのは有名であるが、系統は太子の子、山背大兄王で途絶えている。
都は磐余池辺雙槻宮（いわれのいけのへのなみつきのみや）。『日本書紀』によると磐余池辺雙槻宮は5世紀前半に履中天皇が造った磐余池（平安時代まで存在）のほとりに建設されたとされている。
先代の敏達天皇崩御を受けて即位（585年？）し、大連と大臣は、物部守屋と蘇我馬子がそのまま引き継いだ。
敏達天皇は廃仏派。しかし用明天皇は崇仏派であり、その後の廃仏派の物部守屋と崇仏派の蘇我馬子・聖徳太子の争いへと繋がる。
天皇は疱瘡のため、在位2年足らずの587年4月9日（古事記では4月15日）に崩御された。享年は36、41、48、67、69歳など諸説あり、生年月日は不明である。
明治3年（1870年）に仲恭天皇と弘文天皇が追贈されるまで、在位期間が最も短い天皇であった。
聖徳太子による法隆寺の建立は仏教発展の拠点とするためであるとされているが、
元々用明天皇の病気平癒のために天皇の願いを受けて太子が寺の建立を誓ったからだとする説もある。